
お世話になった女性へのちょっとしたお返しに、櫛やヘアブラシを選ぶのも一つの方法です。
ちょうど櫛をなくしたと聞けば、なおさら役に立ちそうだと思いますよね。
ところが、いざ選び始めると、櫛は人にあげてはいけないと聞いたことがある気がして、手が止まってしまう。
ヘアブラシなら大丈夫なのか、1000円くらいの櫛で本当に喜んでもらえるのか、と次々に気になってきます。
せっかく贈るなら、変な意味で受け取られたくないし、ちゃんと喜んでほしいですよね。
この記事では、櫛のプレゼントがよくないと言われる理由と、昔から櫛を贈ることに込められてきた意味を、もらう側の女性の目線でお伝えします。
ヘアブラシ・櫛のプレゼントがよくないと言われる理由

櫛をプレゼントするのはよくないと言われる理由には、大きく分けて次の2つがあります。
- 「くし」の音から「苦」と「死」を連想する
- 櫛を贈ることが「別れ」や「縁切り」につながるという俗信がある
どちらも昔から伝わる俗信であり、現在のヘアブラシそのものに悪い意味があるわけではありません。
ただし、贈る側が気にしていなくても、相手やその家族がこうした意味を知っている可能性はあります。
実際に櫛をプレゼントしても問題ないのか判断するためにも、まずは、なぜ昔からよくないと言われてきたのか確認しておきましょう。
櫛のプレゼントがよくないと言われる理由は「苦・死」の語呂合わせ
櫛がプレゼントによくないと言われる理由として、よく知られているのが「くし」という言葉の語呂合わせです。
「く」を「苦」、「し」を「死」と捉えることで、苦しみや死を連想させる縁起の悪い贈り物とされてきました。
こうした話は、最近になって広まったものではありません。
1910年に刊行された『諺語大辞典』には、「櫛ヲ貰フト苦ヲ貰フ」「櫛ヲ貰フト中ガ悪クナル」という2つの俗説が収録されています。
国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」に掲載されている相模原市立橋本図書館の調査事例
つまり、少なくとも100年以上前には、櫛をもらうことを「苦」や人間関係の悪化と結びつける考え方が存在していたことが確認できます。
贈る側が気にするかどうかではなく、受け取る女性がこうした意味を気にするかどうかを考えて選ぶことが大切です。
櫛のプレゼントがタブーとされた縁切りの由来
櫛のプレゼントがよくないと言われる背景には、「苦」「死」の語呂合わせだけでなく、櫛と別れを結びつける古い習俗もあります。
その一つが、平安時代の斎王が都から伊勢へ旅立つ際に行われた「別れの御櫛」です。
三重県立斎宮歴史博物館によると、天皇に代わって伊勢神宮に仕える斎王は、出発前に宮中で「発遣の儀」に臨みました。
このとき天皇が斎王の額髪に小さな黄楊(つげ)の櫛を挿し、都の方を振り返らないよう別れの言葉を告げます。
このとき使われた櫛は「別れの御櫛」と呼ばれています。
斎王にとっては天皇との最後の対面になる可能性もあり、文字どおり別れを象徴する櫛でした。
さらに『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』には、「櫛を人にやると縁切れになる」という俗信も記録されています。
こうして見ると、櫛が別れや縁切りを連想させる背景は、単に「くし=苦・死」という語呂合わせだけではありません。
古くから別れの場面で櫛が使われてきたことも関係しています。
ただし、「別れの御櫛」は縁を切るための儀式ではなく、斎王を伊勢へ送り出す際のものです。
現在の櫛やヘアブラシを贈ること自体に、縁切りの意味があるわけではありません。
櫛には、こうした別れや縁切りの話がある一方で、昔から大切な人に贈られてきた良い意味もあります。
次は、櫛を贈ることに込められてきた意味を見ていきましょう。
櫛を贈る意味とは?男性から女性に贈る意味や日本での由来

櫛には別れや縁切りの話がある一方で、古くから特別な意味を持つ道具として大切にされてきました。
百科事典や東京都の資料をひもとくと、櫛を贈ることに込められてきた意味は、次の3つに分けられます。
- 持つ人を守る魔除けやお守り
- 男性から女性への結婚の象徴
- つげ櫛に込めた夫婦円満の願い
ここでは、日本で櫛がどのような意味を持ってきたのかを、男性から女性へ贈る場合や友達へ贈る場合とあわせて紹介します。
日本で櫛を贈る意味の由来
日本では縄文時代の遺跡から櫛が見つかっていて、とても古くから使われてきた道具です。
もともとは髪をとかすだけでなく、神事に関わる女性が身につけるなど、神聖な意味を持つものでもありました。
『古事記』には、スサノオがヤマタノオロチを退治する際、クシナダヒメを櫛に変えて自分の髪に挿したという話も登場します。
また、櫛は「串」に通じることから、神霊が降りる依代とも考えられていました。
病気や災いなど、悪いものを払うためにも使われていたとされています。
東北地方には、女性が夜に出かける際、櫛をくわえていくと魔除けになるという言い伝えも残っています。
髪を整える実用品とは別に、持つ人を災いから守るお守りのような役割も担っていたのです。
男性が女性に櫛を贈る意味
男性が女性に櫛を贈る意味として知っておきたいのが、結婚との結びつきです。
百科事典マイペディアでは、櫛は古くから魔除けの道具であるとともに、婚姻の象徴ともされてきたと解説されています。
日本大百科全書にも、櫛を髪に挿すことによって既婚を示す習俗があったことが記されています。
さらに江戸時代には、結い上げた髪を飾るアクセサリーとして流行。
東京都の「江戸東京きらりプロジェクト」では、プロポーズの際に男性から女性へ櫛を贈る習慣もあったと紹介されています。
つまり、男性から女性へ渡す櫛は、単なる髪道具だけではなく、結婚への思いを託す品としても使われてきたわけです。
恋人ではない女性に贈る場合の受け止められ方については、このあとの「友達に櫛を贈る意味」で紹介します。
つげ櫛のプレゼントに込められた意味
つげ櫛は、ツゲの木から作られる日本の伝統的な櫛です。
『万葉集』にも詠まれるほど歴史が古く、現在でも職人が歯を一本ずつ挽いて仕上げる伝統工芸として受け継がれています。
良質なつげ櫛は手入れをしながら長く使えるのも特徴です。
東京都の「江戸東京きらりプロジェクト」では、祖母から母、娘へと3代にわたって愛用する人もいると紹介されています。
贈り物としては、髪のもつれを解くという櫛の働きにちなんだ意味もあります。
東京・上野の老舗「十三や」を取材した日本テレビ『音のソノリティ』では、「揉め事を解きほぐす」という意味合いから、つげ櫛を結婚祝いに贈ることも多いと紹介されています。
夫婦の間で起こる揉め事も、髪のもつれのように解きほぐしてほしい。
そんな願いを込められることから、結婚祝いにも選ばれているわけです。
友達に櫛を贈る意味
ここまで見てきたように、櫛には魔除けや結婚の象徴など、さまざまな意味が込められてきました。
ただ、友達からもらった櫛に、プロポーズのような重い意味を感じる人はほとんどいないと思います。
女性の私から見ても、友達からの櫛は、毎日の身だしなみに使える気の利いた贈り物です。
むしろ、櫛をなくしたばかりのときや、髪が絡まりやすいと話していたときにもらえたら、自分の話を覚えていてくれたことの方が嬉しく感じます。
櫛にお守りの意味があることを知っていれば、いつも元気でいてね、という気持ちを込めて渡すこともできます。
ヘアブラシのプレゼントは嬉しくない?嬉しい女性との違い

縁起の意味が分かっても、もうひとつ気になるのが、ヘアブラシや櫛をもらって女性は本当に嬉しいのか、ということですよね。
実際に、ヘアブラシのプレゼントは嬉しくない、という女性の声もあります。
ただ、嬉しいか嬉しくないかを分けているのは、値段よりも、相手の使い方やもらうタイミングです。
この項で分かることは、次の3つです。
- 嬉しくないと感じる女性の本音
- 嬉しいと感じる女性の本音
- 1000円の櫛でも喜ばれる理由
ここでは、ヘアブラシや櫛をもらう側の女性として、私の本音とネットで見つけた声を交えながら紹介します。
ヘアブラシをもらっても嬉しくない女性はいるのか気になって、ネットで調べてみました。
すると、獣毛ブラシやパドルブラシなどをすでに持っているので何本もいらない、という声が見つかりました。

髪質や好みもあるので、適当に選ばれたものだと合わないかもしれない、という声もありました。
お気に入りの1本を決めて使い続けている人にとっては、新しいブラシをもらっても出番がない、ということです。
つまり、嬉しくない理由は縁起ではなく、今は必要ない、ということなんだと思います。
一方で、私はヘアブラシや櫛が何個あっても困らない派です。
家で使うもの、お風呂で使うもの、バッグに入れて外出用にしているもの、と場所ごとに使い分けているからです。
ちなみに、お風呂用、まとめ髪用、折りたたみの持ち歩き用などに分けて、合計5個持っています。
使い分けている女性にとって、櫛は何個あっても無駄にならないものです。
また、普段は何本も必要ないという女性でも、買い替えようと思っていたタイミングなら嬉しいのではないでしょうか。
ヘアブラシは意外にも消耗品です。
嬉しい女性と嬉しくない女性の違いは、使い分けているかどうかと、なくした、壊れた、買い替えたいと思っていた、というタイミングかどうか。
櫛をなくしたばかりの相手なら、まさに嬉しいと感じる側の女性です。
女性へのヘアブラシのプレゼントといえば、リファが定番ですよね。
名前を知っている女性も多く、ヘアブラシは3,000円前後します。
ただ、恋人でもない男性から値段の分かるリファをもらうと、私ならお返しをどうしようかと考えてしまいます。
定番のヘアブラシだけに、すでに同じものや似たブラシを持っている可能性もあります。
その点、1,000円くらいの櫛なら気軽に受け取れます。
私も、バッグに入れている外出用の櫛は、気兼ねなく使えるように手頃なものを選んでいます。
使い分けている女性にとっては、高価な1本より、気軽に使える櫛の方がありがたいこともあります。
とはいえ、せっかく贈るなら、1,000円でもちょっと良く見える櫛を選びたいですよね。
このあと、プレゼントにおすすめの櫛を紹介します。
リファに負けない使い心地!1,000円前後で贈れるヘアブラシ・櫛3選

1,000円前後でも、普段自分で買うものより少し特別感のあるヘアブラシや櫛は見つかります。
ここでは、相手に気を遣わせにくく、ちょっとした誕生日プレゼントやお返しにも選びやすいヘアブラシ・櫛を3つ紹介します。
実際の利用者からは、リファと比べても使いやすいという声も多く、手頃な価格でも使い心地に期待できる商品を選びました。
永豊堂 ヘアケアブラシL|1,000円以下でも使い心地で選ばれる定番ブラシ

永豊堂のヘアケアブラシLの魅力は、なんといっても圧倒的なコスパの良さです。
1,000円以下という手頃な価格ながら、細かなブラシが髪をしっかり捉えて地肌まで届きやすく、ブラッシングしたときの心地よさも好評。
高価なヘアブラシをいくつか試しても、結局このブラシに戻ってきたという人もいるほどです。
さらに、10年以上使い続けている人や、何度も買い替えて愛用している人も見られ、安さだけで選ばれている商品ではありません。
1,000円以下で相手に気を遣わせにくいのに、毎日使える実用性は十分。
高価なブランドブラシでは少し重いけれど、安っぽいだけのブラシも避けたい、というプレゼントにぴったりです。
- 手頃な価格ながら高価なブラシにも負けない使い心地
- 地肌までしっかり届き髪をとかしながら心地よくブラッシング
- 長年の愛用者や何度も買い替えるリピーターが多数いる定番品
リファよりも梳かしやすいと評判の、コスパ抜群のヘアブラシです。
使ってみるとわかりますが、頭皮への当たりが気持ちよく、コンパクトなので家でも外出先でも気軽に使えます。
レビューを確認してみると30年愛用している人や結局このヘアブラシに戻ってくるとの評価も多いです。
タングルティーザー ミニ|絡まりやすい髪もスルッとまとまる

タングルティーザーの定番モデルを小さくした「ザ・オリジナル ミニ」。
約6.5×10×4.5cm、重さ約50gのコンパクトサイズで、手に収まりやすく持ち運びにも便利です。
長短2段のブラシが絡まった髪を無理に引っ張らずにほぐし、細い髪や傷んだ髪でもスルッととかしやすいのが特徴です。
5色から相手に似合うカラーを選べるので、バッグに入れて使えるちょっとしたプレゼントにも向いています。
- 絡まりやすい髪もスルッとほぐしてサラサラに整えやすい
- 持ち運びにも便利なコンパクトサイズで外出先でも使いやすい
- 5色のカラー展開で贈る相手の好みに合わせて選びやすい
リファより絡まりが取れやすいという評価も多く、家用とバッグ用を色違いで揃えている人もいます。
ミニは手に収まりやすく、箱もかわいいので、そのままプレゼントしやすいのもおすすめするポイントです。
オルナ オーガニック ヘアブラシ|豚毛と竹製ハンドルでプレゼントにも人気

オルナ オーガニックのヘアブラシは、天然の豚毛とナイロンピンを組み合わせた、髪のツヤやまとまりを重視したブラシです。
長めのナイロンピンが髪をしっかり捉えながら頭皮まで届き、豚毛が髪を整えてサラサラとした仕上がりに。
持ち手には天然の竹を使用しているため、プラスチック製とは違った温かみと高級感があるのも特徴です。
しっかりした箱に入っているので、誕生日やちょっとしたお礼にもそのまま贈りやすいヘアブラシです。
- 豚毛とナイロンピンの組み合わせで髪をサラツヤに整えやすい
- 天然竹のハンドルでナチュラルな高級感がある
- 専用の箱入りでそのままプレゼントとして贈りやすい
リファより静電気で髪が広がりにくかったという評価もあり、使い心地もしっかり期待できます。
朝の忙しい時間でもサッと髪がまとまり、ヘアセットの時短になるのが嬉しいポイント。
木製の持ち手と箱には高級感があるので、異性へのちょっとしたプレゼントはもちろん、女友達へのプレゼントでも選びやすいですね。
プレゼントに込められた昔からの意味が気になる方は、ハンカチにも「別れ」を意味するという言い伝えがあります。
恋人に贈っても大丈夫なのか、現在の受け止められ方はこちらで紹介しています。

まとめ
ここまで、ヘアブラシや櫛をプレゼントする意味や、よくないと言われる理由について紹介してきました。
櫛には「苦・死」の語呂合わせや縁切りといった言い伝えがある一方で、古くからお守りや結婚の象徴として大切にされてきた歴史もあります。
そのため、昔からの言い伝えだけを理由に、ヘアブラシや櫛をプレゼントから外す必要はありません。
大切なのは、相手が普段どんなブラシを使っているのか、なくしたり買い替えたりするタイミングなのかを考えて選ぶことです。
1,000円前後でも使いやすく、見た目にもプレゼントらしいヘアブラシや櫛は見つかります。
高価すぎるものでは相手に気を遣わせそうなときは、気軽に受け取ってもらえるヘアブラシや櫛を選んでみてください。
ヘアブラシや櫛以外も候補にしたい方は、1,000円で買えるプレゼントを女性・男性・シーン別にまとめています。
相手に気を遣わせにくい贈り物をもう少し比較したいときに参考にしてください。


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